オイデ・マテ

オイデを教える

 オイデを教えるときは特に叱らないように注意します。だれだって怖い飼い主の元には行きたくないからです。コマンドは「カム」または「オイデ」が良いでしょう。訓練系の方は「コイ」を使いますが、日常生活ではちょっとカタイ気がします。
 それとこれは全てのコマンドに言えることですが、普段使うコマンドは飼い主も犬もだんだんルーズになっていく傾向があります。お互いにテキトーになってしまうのです。そこで一目散に走ってきて飼い主の正面にぴったり座るオイデと何となく近くに戻ってくればよいオイデを使い分けることをお勧めします。英語ではフォーマルコマンド/カジュアルコマンドと呼び分けたりします。

 さて、フォーマルコマンドはある意味競技会用のコマンドですから、その練習法は犬によって様々だと思いますので、ここでは触れません。そこでカジュアルコマンド、つまりそばに戻ってきてくれればよいオイデをどうやって教えるかについてご説明します。

 全てのトレーニングがそうであるように、初めはオイデも簡単なレベルからはじめます。失敗を経験させるとあとで苦労しますので、簡単なことで成功させながらレベルアップして行くわけです。
 リードを付けたまま1m程度離れ、とても楽しそうにオイデといいご褒美を与える。その際ご褒美をちょっと見せて、犬が勝手に来そうなタイミングを見計らうと早く覚えてくれます。気が散っているときならすでに練習したアイコンタクトでアテンションを取ってからオイデと言うべきです。
 この際反応が遅かったら少しリードで信号を送ってみましょう。
 この練習を徐々に難しくしていく、つまり距離を伸ばしていったり、気の散る環境に移していったりすればレベルアップできます。ただし決して距離と環境を同時に難しくしないで下さい。これは失敗を経験させてしまう最大の理由となります。普段から来そうもないときにはオイデというコマンドを使わないように気を付けましょう。すでにこのコマンドを連発してしまっている方は、そしてそれでもなかなか来てくれない状況であるなら、このコマンドは捨て、別のコマンドを使った方が早く上達してくれます。

 誰かに手伝ってもらえるならもっと効果的な方法があります。犬が自発的にダッシュで飼い主の元に来るオイデになります。その方法は手伝いの人に自分の犬を押さえておいてもらい、犬におやつやおもちゃを見せびらかしながら楽しそうに最初は5m程走り去り、そこで犬がじれていたらおもむろにオイデと呼ぶやり方です。この時手伝いの方はタイミング良くリードをゆるめてあげなければなりません。外でやるならロングリードが必須です。飼い主の元に走ってきたらたくさん誉めてご褒美を与えましょう。

マテを教える

 正の強化によってマテを教えると、自発的に待とうとする気持が育まれます。こういったトレーニングではその時犬が一番望んでいるもの、それを最大のご褒美として利用しますが、待てばそれが手に入る、待たなければ決してそれが手に入らないという状況を常に飼い主が仕組んでいれば犬は得な方、つまり待つ方を選んでくれるわけです。

 では具体的にはどう練習していけばよいのでしょう。一番簡単な方法をご紹介します。まず犬にオスワリをさせ、おやつを目の前で見せます。その際食べようとしても絶対食べられないように。手の位置は動かさずに食べようとしたらおやつを握りしめ手の中に隠して下さい。ここで手を引いてしまうと犬が動いてしまいますから、オスワリの状態でぎりぎりの鼻先に手を保持しておきます。食べようとしたらグーにして我慢してたらパーにするわけです。
 この繰り返しで犬にはフラストレーションが溜まります。同時にどうすれば食べられるか考えはじめます。いろんなことを試すでしょう。おそらく吠えたりもするでしょう。オテをする子もいると思います。でもどんなに可愛くても、そしてどんなに強引に取ろうとしても決して与えません。
 ここで犬が止まるタイミングを見計らって「マテ」といいます。少し驚かすくらいのリズムで言ってみて下さい。一瞬止まるはずです。そこですぐに思いっきりほめて手の中のおやつをあげます。そして(ここが大事ですが)オッケーという解放コマンドを出してから少し犬を動かします。なぜ解放コマンドが大事かというと、そのままでは誉められたらもう自由に動いて良いと学習してしまうからです。あるいは自分の判断でコマンドを解除するタイミングを決めるようになり、その結果どんどん待てる時間が短くなって行くからです。
 全てのコマンドはその後に別のコマンドが来ない限り勝手に解除してはいけない。これが基本です。そして自由にしてあげるためにもオッケーという解放コマンドが重要な役割を担っているわけです。

 さて上記の練習を繰り返してみましょう。手のひらのおやつを勝手に食べようとしたら手をグーにして与えないようにする。じっとオスワリで待っていたら「マテ」というコマンドを乗せ、それから誉めておやつを与える。すぐに解放し少し動かす。またオスワリをさせ手の平のおやつを見せて・・・。
 もちろんおもちゃでも練習できます。ただおもちゃは回収に時間がかかるのでマテの練習をするにはあまり効率が良くないと思います。

 これが出来るようになったら、徐々に距離を伸ばしてみて下さい。飼い主が少しずつ離れて行くわけです。ここでも同時に距離と時間を延ばせば失敗の可能性が高まり学習が遅れます。確実に少しずつ延ばしましょう。そして時間を延ばすときは距離はそのまま、距離を伸ばすときは時間は短めに。

 マテは様々な状況で使うコマンドです。ありがちなのはごはんの時だけ待てるという場合ですが、これは応用をしていないために犬がマテの意味を一部に限定して学習してしまう典型的な悪い例です。
 動いている犬にマテを掛ければその場で止まる、食事中に掛ければその場で食べることを止める、吠えているときなら吠えるのをやめる。そんな風に使うものですから練習でもパターンに入らず、様々な時間、様々な場所でいろんな状況のマテを練習して下さい。最終的にはオイデで走ってくる犬を止められるようになるまで頑張りましょう。


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