リードの達人

リードは引っ張るための道具ではない
 リードを勝手にどこかに行ってしまう愛犬を引き戻すための道具に使ってはいませんか?それでも引き戻せればまだ良いですが、引っ張られながらずるずるとお散歩していては犬も飼い主も大変ですね。
 引っ張るための道具は犬ぞりで使うハーネスとギャングラインです。リードとカラー(首輪)はいざというときの愛犬の命綱であり、良いコミュニケーションのための合図を出す道具でなければなりません。うちの犬は引っ張るからといってリードとカラーをどんどん太いものにしていってはいませんか。

 止めようとしても止まらず犬に引っ張られながら歩く状況を行動心理学的に解説すると、犬にとっては「ちょっとくらい引っ張っても人間は動かない。でも一所懸命引っ張れば付いてきてくれる」と考えることがすごく多いのです。その結果どうなるかというと首が締まって苦しいにも関わらずもっともっと頑張って引っ張ろうとなるわけです。

ひっぱりっこの悪循環を断ち切ろう
 4つの行動原理を思い出してみましょう。「行動のあとに良いことが起これば、その行動を学習する」ですから、引っ張られたときに犬の望むようについてってはダメなことは明白ですね。犬が前に行こうとしたらUターンして後ろに行きましょう。犬がリードを引っ張ったら人間は電信柱になってリードを腰に固定し、絶対動かないように頑張りましょう。そして犬があきらめてそばについてきたらたくさん誉めてご褒美を与え歩き出しましょう。その時の最大のご褒美は何ですか?もしかしたらおやつですが、もしかしたら道ばたの臭いを嗅ぐことかも知れません。だとしたら「オッケー」の解放コマンドが最高のご褒美ですね。その時その時で犬が求めるご褒美が変化することもお忘れなく。

リードをガツンと引くのはやめよう
 いらいらしてリードをきつく引っ張るのは人道的にあまり好ましくないばかりではなく、犬にとってそれが何を意味するのかなかなか理解しがたいものです。人間からのメッセージとしては野蛮でおおざっぱすぎるからです。それにそういう習慣が付いてしまった人は、とりあえずリードを引っ張り戻そうとします。人間がリードに頼っているわけです。「リードに頼る」のを今すぐやめましょう。犬を呼び戻したいならコマンドを使いましょう。コマンドが効かないのなら呼び戻しの練習が必要です。
 リードの達人は常に犬の顔がどちらに向いているか、つまり今犬が何を考えているかを注意深く観察しています。そして犬が勝手な行動をとろうとするまさにそのタイミングで、小さな合図を送ります。「出鼻をくじく」という例えが少し似ているかも知れません。飼い主との約束を忘れて前に出ようとした瞬間に飼い主を思いだしてもらうわけです。
 大抵は人間が犬の動きを注意深く観察していないために、それが手遅れになった状態でガツンと引っ張り戻す羽目に至るわけですが、これは人間不信を招き、なおかつもしリードが離れたら一気に逃げようという考えを愛犬に持たれてしまう可能性があります。
そもそも頸椎の損傷も懸念されます。
 おおざっぱな「ガツン」1回を細かな合図3回に分割し、なおかつ「起きてしまったこと」に罰を与えるのではなく、「これから置きようとしていること」に注意を与えるタイミングで上手にコントロールしてあげて下さい。
 それと引っ張り続ける犬に「アトヘ」とか「ツイテ」とか連発している方、犬はこれらのコマンドを「もっと引っ張れ」と解釈しているはずです。呼んでも来ない犬に「コイ」といえばそれが「そこで遊んでいなさい」という意味に取られるのと同じ原理ですので、「コマンドは完成した行動にあとから乗せる」という鉄則を思い出して下さい。

そうは言っても引っ張る犬の応急対策
 何事も理屈通りにはいかないですね。引っ張りを直すのも本当に時間がかかると思います。そこで頑固な引っ張り犬にとても有効な道具ととっさの時に使えるテクニックをご紹介します。

 ハルティ&ジェントルリーダー
 この二つのブランドはヘッドカラーと総称される馬の鐙(あぶみ)のようなカラーですが、リードをつける位置がマズルの下に来るようになっています。動物はみな頭が向いている方に進む傾向があるという大原則に基づきこれによって犬をスムーズにコントロールできるわけです。さらにリードの達人は通常のカラーにリードの反対側を取り付けるダブルリードというテクニックを用います。これを使いこなせればどんな犬でも微妙なコントロールをすることが出来るようになります。具体的な使い方は残念ながら文章では説明し切れませんのでお会いしたときにお尋ね下さい。


ダブルリード

 バランスリードというテクニック
 ヘッドカラーのような道具を何も持っていないとき、とっさに興奮した愛犬をコントロールするためには、バランスリードというテクニックが大変有効ですので、ぜひ身につけておきましょう。
 まず通常のリードを通常のカラーに付けた状態でリードの真ん中あたりを空いている手でつまみ、両手でリードのループを作ってそれを犬の首に掛けます。リードの手に持つ端っことつまんだあたりを片手にまとめて持ちます。そうするとカラーから1本、首から左右2本のリードが持つ手に来ていることになります。首に掛けたリードはちょうど両
前脚の付け根からやや下に来るあたりに高さを調節して下さい。
 こうすることで犬は引っ張ろうとすると前脚の力が抜け引っ張ることが出来なくなります。力を使わずに引っ張りをコントロール出来るわけです。文章だけでわかりづらかったら、これもお会いしたときにお尋ね下さい。やってみればとても簡単です。

細いリードがかっこいい
 上記のことを読んでいただければおわかりいただけると思いますが、太いリードは家庭犬としてスマートではありませんね。切れたら心配という方も多いですが、単純な引っ張りっこで切れるリードなんてほとんど無いと思います。犬ぞりのギャングラインだってずいぶん細いですよね。そしてドッグショーで使うリードもその存在を自己主張することのない細いリードですがとても丈夫です。デリケートなコントロールを可能にするのはむしろ細いリードですし、リードの達人にはぜひ細いリードを使っていただきたいと思います。


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